長らく書き継いできた「新春の五島・島原紀行」も、今回が最終回となる。計11回、2ヶ月半にも及ぶ長期の連載となったのには、訳がある。読者の読みやすさを考えて、一回あたりの分量を少なくしたからである。しかしそれにしてもであ […]

　島原の乱についても、今回の調査旅行を機に俄勉強をすることになったので、興味深いところだけでも触れておきたい。面白かったのは、先に書名だけは紹介した渡辺京二の『バテレンの世紀』（新潮社、2017年）と神田千里（かんだ・ち […]

　調査旅行の3日目の夕刻に長崎に戻ったわれわれは、夜に市内を走る路面電車に乗って目的の食事処に向かった。私などは、外で食べるとなると、余程のことがない限り何処で何を食しても旨いと思う方なので、そんな人間の感想などあてにな […]

　「居付」となった五島の人々とその子孫の厳しい暮らしの一端については、先に触れたところであるが、そう書いたからといって彼ら・彼女らの暮らしの厳しさが直ぐには実感されないだろう。私だとて同じであり、よく分かったなどと簡単に […]

　では、頭ヶ島での暮らしとは、いったいどんなものであったのだろうか。新たに開かれた土地には、移住元の外海で培われた石積み技術が駆使され、段畑（だんばたけ、段々畑のこと）や、石積み壁の小屋、石段、水路などが築かれた。「石の […]

　五島列島の福江島と中通島でたくさんの教会を眺めてきたのだが、それらの教会がどのようにして建てられたのかということについても、ここで簡単に触れておきたい。『旅する長崎学』の第6号に、五島の教会群の話が登場している。そこで […]