眩しき新緑の世界へ
今日は4月の10日である。前日に投開票が行われた統一地方選挙の前半戦の結果も、すべて判明した。神奈川の県知事選挙では、猥褻メールで世の中を震撼させたあの黒岩知事が、悠々と4選を果たした。大勝であり、完勝である。この堂々たる戦いぶりは何とも大したものではないか。それに反して私の地元の都筑区では、応援していた共産党の候補者は最下位に沈んだ。立憲民主党の2人の現職議員もあえなく落選という結果である。投票率が4割という主権者不在のこの国で、この選挙結果である。嘆きを通り越してもはや笑うしかなかろう。
ついでに書いておけば、共産党は、横浜の市会議員選挙や相模原の市会議員選挙でも、そしてまた県会議員選挙でも、議席を半減させており、これではもはや惨敗という他はない。この間の退潮傾向に歯止めは掛かっていない。しかしそれにしても、県知事選挙の結果や地方選挙に突如登場した維新の躍進ぶりを眺めていると、県民も市民もなんと度量が広く、鷹揚で、ご立派な人々であることか(笑)。昔なら、こんな結果にいちいち腹を立てて悔しがっていたはずだが、後期高齢者ともなるとそれさえもはや億劫である。「どうぞご随意に」とか「お好きにどうぞ」と言うしかあるまい。私などはほどほどの応援しかしなかったが、熱心に選挙運動に取り組んでいた知り合いなどは、さぞかしがっかりしていることだろう。
今朝もまた抜けるような青空が広がっている。この間、3月23日に左目の白内障の手術をし、続いて4月7日には右目の手術をした。手術前は、ぼんやりと霞が掛かったような状態だったし、クルマの運転に一抹の不安と緊張を感じるような状況だったので、やむなく手術に踏み切ったわけである。ここに至るまでには大分時間が掛かった。昨年の暮れに前立腺ガンの治療が一段落したこともあって、近くの眼科医に出向いて検査してもらったところ、白内障の手術を勧められた。そこで、前立腺ガンの治療を受けた同じ病院宛ての紹介状を書いてもらうことにした。これを持参して病院に出向いたところ、手術待ちの患者がたくさんいるようで、先のような日程になったというわけである。
簡単な手術だと聞いてはいたが、手術の前後にあれこれと準備しなけらばならないことがあった。手術の3日前から1日3回点眼しなければならず、手術が終われば終わったで、翌日と1週間後に術後の状況を確認してもらうために病院に出向かなければならなかった。手術後は2週間ほど3種類の点眼液をこれまた1日3回ささなければならず、また1週間は洗髪も飲酒も控えなければならない。感染症を防ぎ目に刺激を与えないためである。これを左目と右目でやるのだから、面倒だと言えば結構面倒である。禿げ頭の私などは、洗髪してもしなくてもまあどうでもいいようなものではあるのだが…(笑)。
手術の結果は特に問題なく、おかげで目のかすみが取れて外界が色鮮やかに見えるようになった。眼鏡を掛ければ、視力も1.2ぐらいまでは回復しているとのこと。もっとも、眼鏡を買い換えるのは一ヶ月後の診察の後にした方がいいらしい。そこまでやってすべて完了ということになる。以前は、運転免許証の更新の際に必要な0.7の視力がどうやらこうやらの状況であったのだから、これでようやく一安心というものである。ただでさえ春光が眩しい木の芽だちの季節となったうえに、両目のかすみもとれたので、いやがうえにも鮮やかさを増した緑が目に飛び込んでくる。緑滴る新緑の世界が眩しすぎるほどだ。よく知られた一句、「目に青葉 山ホトトギス 初鰹」がふと浮かんだ。もっとも、病院の隣にある公園で鳴いていたのはホトトギスではなくカラスであったが…。
選挙結果が先のような状況であったから、心の中は澱んで湿っていたわけだが、そんなこととは無関係に季節は巡り、外界は春爛漫の世界である。春に責められるべきことなど何もないが、その対比はいささか残酷なほどである。こんな時には、陽光をたっぷりと浴び、心ゆくまで新緑を愛で、全身で春風を感じるために、カメラを片手に外に出掛けるしかあるまい。光は眩しかったが、風は思いの外強かった。「風雨強かるべし」といったところか。風や雨に負けない組織と運動を再構築するためには、一体何が求められているのであろうか。その探求が急がれよう。
PHOTO ALBUM「裸木」(2023/04/12)
新緑の季節に(1)
新緑の季節に(2)
新緑の季節に(3)